超臨界流体とは?
液体と気体の二つの状態が区分できない温度を臨界点と呼びます。超臨界流体(Supercritical Fluid、SCF)とは臨界圧力・温度の物資で、一般の液体や気体とは異なった独自の特性を持ちます。 |
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超臨界の物理的特性 |
• 気体と液体の中間物性
• 相変化なしでちょっとした圧力と温度の変化による急激な物性変化が可能
• 表面張力がないため核酸力が良く、物質の伝達速度が速い
• 低い粘性と強い溶解力 |
Phase |
密度(Kg/㎥) |
粘度(CP) |
核酸 x 108 (㎡/sec) |
Gas |
1.0 |
0.05-0.35 |
100-10000 |
SCF |
200-900 |
0.2-1.0 |
0.1-0.3 |
Liquid |
800-1000 |
3.0-20 |
0.05-0.2 |
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超臨界流体溶媒の臨界点 |
Solvent |
臨界温度
(℃) |
臨界圧力
(bar) |
密度
(g/㎤) |
分子量
(g/mol) |
Carbon dioxide (CO2) |
31.1 |
73.8 |
0.469 |
44.01 |
Water (H2O) |
373.1 |
220.5 |
0.348
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18.02 |
Methane (CH4) |
-87.75 |
46 |
0.162 |
16.04 |
Ethane (C2H6) |
32.4 |
48.8 |
0.203 |
30.07 |
Propane (C3H8) |
96.8 |
42.5 |
0.217 |
44.09 |
Ethylene (C2H4) |
9.4 |
50.4 |
0.215 |
28.05 |
Propylene(C2H2) |
91.75 |
46 |
0.232 |
42.08 |
Methanol (CH3OH) |
239.45 |
80.9 |
0.272 |
32.04 |
Ethanol (C2H5OH) |
240.9 |
61.4 |
0.276 |
46.07 |
Acetone (C3H6O) |
235.1 |
47.0 |
0.278 |
58.08 |
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※ 超臨界流体技術は一般に超臨界二酸化炭素と超臨界水があります。 |
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望ましい超臨界流体の特性 |
• 化学的に安定して腐食性がないもの
• 臨界温度が室温又は抽出温度に近いもの
• 臨界圧力が低いもの
• 選択範囲が広いもの
• 溶解力が大きいもの
• 購入が簡単で値段が低いもの
• 環境が汚染されないもの |
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超臨界流体技術の長所 |
• 環境と人体に優しい技術
• 高純度・高品質の製品
• 省エネ工程技術/高速工程技術
• 残存有機溶媒がないこと |
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超臨界流体の特性 |
1) 超臨界二酸化炭素の特性 |
• アンモニア合成、水素製造、エタノール製造、電力生産などで発生する副産物
• 無毒、不燃性、不活性
• 環境に優しい溶媒(リサイクル工程)
• 低い臨界差
• 高い拡散計数(一般の容器溶媒・水の10~100倍)
• 圧力・温度による密度の変化 |
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※ 現在、超臨界二酸化炭素工程は新しい革新技術として注目されています。特に食品工業、化学工業、医薬品工業、材料工業、環境産業、エネルギー産業などの分野で高品質の製品生産と効率の向上はもちろん、最近社会問題になっている環境保存、エネルギー節約などにも適用され、その応用範囲はますます増えています。 |
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2) 超臨界の特性 |
• 水の臨界点(374℃ , 221bar)以上で密度、誘電率、電気伝導度、溶解力などの物理的性質が変化
• 超臨界水は弱い極性と非極性溶媒として作用
: 超臨界水の誘電率は非極性溶媒(ベンゼン、エチルエーテル、ヘキサン)の誘電率と同様の値になる
• 一般の水に溶解されない有機物に優れた溶媒
• 酸素が豊富で完全参加が可能になり、2次汚染物質の生成がない
• 単一酸化反応で速い反応速度 |
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超臨界流体技術の分類 |
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超臨界流体の応用分野 |
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